睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が10秒間以上停まることが繰り返しておき、一晩7時間の睡眠で30回以上、あるいは1時間あたり5回以上無呼吸が起こるものをいいます。
この病気は、日中の眠気、熟睡感のなさなどの他、高血圧症や心臓病や脳血管疾患を悪化させます。重度のSAS患者の8年後の生存率は約63%というショッキングな数字も出ています。従ってできるだけ早く診断し、治療を始める必要があります。

症状

大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中のつよい眠気などが主な症状です。その他の症状として、熟睡感がないことや起床時の頭痛、全身の倦怠感、集中力低下、無気力、夜間の覚醒(窒息感で目を覚ます)などいろいろあります。いびきがひどい位に軽く考えていると、長期的には日常生活や健康上に大きな問題が出てきます。実際、無呼吸が繰り返しておきると、血液中の酸素のレベルが下がり、心臓や血管に大きな負担がかかります。
また、睡眠が無呼吸のたびに障害され、深い睡眠がとれません。その結果、日中の眠気、集中力低下、などが出てきます。

睡眠時無呼吸症候群を放置した場合の危険性

睡眠時無呼吸症候群の人は、糖尿病や高血圧、虚血性心疾患、脳血管疾患などの合併症のリスクが増加すると言われています。

また、SASを治療しなければ将来的な生存率の悪化につながるという結果も出ています。
中等度~重度のSASを無治療のまま放置してしまうと、日中の眠気を引き起こすだけではなく生存率にも影響してしまう恐れがあるのです。

He J. Kryger MH. et al. Mortality and apnea Index in obstructive sleep apnea. Experlence In 385 male patlents. Chest 1988:94:9-14

検査法

※AHI 10秒以上の無呼吸・低呼吸の1時間当たりの数

①簡易PSG検査(当クリニックで行っている検査)
鼻と指先に呼吸のセンサーをつけ、呼吸の状態、血液中の酸素を測定します。これにより、10秒以上の無呼吸・低呼吸の1時間当たりの数(AHI)、酸素の低下状態が診断されます。自宅にて検査を実施します。

②精密PSG検査
脳波・筋電図・心電図・呼吸・血液中の酸素等、さまざまな生体信号を測定します。これにより、AHIはもとより、睡眠の質(睡眠の深さ・分断の有無)、不整脈の有無、その他の睡眠障害の有無等について診断されます。
この検査はさまざまなセンサーを装着する必要があるため専門の病院等に入院して行います。
※この検査が必要な場合は旭中央病院に紹介いたします。

治療方法

CPAP(シーパップ)療法

眠る時に鼻マスクを装着する簡単な治療法です。一定の圧力の空気を鼻マスクに送り、マスクを介して常に空気を送ることで気道を広げ、無呼吸を防ぎます。投薬や手術などと違って身体への負担はほとんどありません。 また、降圧(血圧を下げる)効果の報告もあります。

治療費の目安

初診

約4,000円(簡易PSG検査実施)

CPAP療法

約5,000円/月
※健康保険適用時の自己負担金